「マウスピース型矯正装置による治療」とは
その名の通り、取り外し可能なマウスピース型矯正装置を装着して、歯の移動を行なう矯正方法です。
オーダーメイドで作製する透明に近いマウスピース型矯正装置が、ぴったりとフィットするため、歯につけているのが見えにくくなっています。そのため近年は「目立ちにくい矯正治療」として注目されています。
「マウスピース型矯正装置による治療」の特徴は、これまでの矯正方法と異なり、硬く出っ張った装置であるブラケットやワイヤーを使用せず、薄く透明に近い樹脂製のマウスピース型矯正装置で治療ができることです。
装置は自由に取り外しができるので、食事や歯磨きもしやすく、写真撮影などの場面でも気軽に装置のない状態にすることができます。
「マウスピース型矯正装置による治療」のメリット
- 取り外しができる
- 透明で目立ちにくい
- 発音しやすく口内炎にもなりにくい
- 歯のお手入れがしやすく清潔に保てる
- 食事の制限がない
- 矯正中でもホワイトニングができる
- 従来のワイヤー矯正とも併用できる
- 金属アレルギーの方でも安心
- スポーツや楽器演奏などで邪魔にならない
- お口の中の違和感が少なく、装着のストレスが軽減される
「マウスピース型矯正装置による治療」のデメリット
- 紛失の可能性がある
- 医療機器法対象外の医療用具であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外である
当医院では、日本で多くの方が使っている「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置」や「アソインターナショナル社開発のマウスピース型矯正装置」をなど、数種類のマウスピース型矯正装置のなかから、患者さま一人ひとりにぴったりのものをご提案します。
※「アソインターナショナル社開発のマウスピース型矯正装置による治療」の完成物は医療機器法対象外であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外の場合があります。
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」は「マウスピース型矯正装置による治療」の代名詞ともいえるほど、世界でポピュラーな矯正法です。
厚さ0.5mmほどの薄く透明に近いマウスピース型矯正装置を、7〜14日ごとに新しいものと交換しながら、1日20 時間以上装着します。
この装置を作るために、まず患者さまのお口の内部をCTやレントゲンで撮影した3Dデータをコンピューターで解析。その後アラインテクノロジー社に送ったデータをもとに、最新技術によって誤差が少なく精確性の高い装置を作製します。
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」は、治療終了時までに必要なすべての装置を最初にまとめて作製するので、歯型取りの回数がほかの「マウスピース型矯正装置による治療」より少なくなり、通院回数も少なくて済みます。お忙しい方にもおすすめの矯正方法です。
※「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」の完成物は医療機器法対象外であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外の場合があります。
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」のメリット
「マウスピース型矯正装置による治療」がもつメリットに加え、多くの方に選ばれてきた「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」ならではのメリットがあります。
- 通院の回数が少ない
- さまざまな症例に対応
- 矯正治療のシミュレーションができる
- ホワイトニングができる
基本的に2〜3ヵ月ごとの通院となります。海外出張や留学などで来院が困難な場合にはさらに通院回数が少なくなるよう対応できます。
従来のマウスピース型矯正装置では治療が難しいとされる、大幅な歯の移動や抜歯を伴う症例、ひどい乱杭歯などの症例も、ワイヤーやゴムを部分的に併用することで治療できるようになりました。
治療を始める前に、3Dモデルのシミュレーションを行ないます。どのように歯が移動していくのか、完成形はどうなるのか、事前に確認することができ、ゴールや過程がわかりやすくなっています。
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」の装置は、ホワイトニングの薬剤を注入してホームホワイトニングにも利用することができます。ホワイトニング用トレーを作製する費用がかからず手軽にできます。また装置が取り外せるので、オフィスホワイトニングも可能です。
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」のデメリット
- 装着時間が短いと歯が動かないため使用状況が悪いと治療期間が長くなる
3Dシミュレーションシステム
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」では、まず「3Dシミュレーションシステム」を使用し、コンピューター画像での3Dシミュレーションを行なって、治療計画や仕上がりイメージの確認を行ないます。
治療開始から終了までに歯がどう動くかを3D画像でシミュレーションでき、さまざまな角度から確認することができます。わかりやすい鮮明な画像により、患者さまご自身が納得したうえで治療をスタートさせることができます。
「3Dシミュレーションシステム」の流れ
口腔内スキャナー検査
カウンセリングの後、口腔内3Dスキャナーで歯型の3Dデジタルデータをとり、デジタルレントゲンや口腔内写真など、診断に必要な検査を行ないます。
こうして得られた患者さまのデータを、アメリカのアラインテクノロジー社に送付します。
すると、全ての情報をデータ解析して、コンピューター上で歯の移動をシミュレーションした治療計画が作成され、返送されます。

治療計画のシミュレーション確認
数日後に患者さまに再来院いただき、「3Dシミュレーションシステム」専用のコンピューターで、医師と患者さまで一緒に治療計画のシミュレーションを確認します。
いつ、どの歯がどの位置にくるのかが治療前に明確になり、最終的な仕上がりや、おおよその治療期間などを把握することができます。ゴールや途中経過をしっかり理解したうえで、矯正治療を始めることができるのです。
実際に治療を開始することになったら、アラインテクノロジー社にて、理想の歯並びになるまでのすべての装置を作製します。
また、このシミュレーションは1パターンだけではなく、2〜3パターン組み立てます。
これを怠ると、治療過程で差が生じ、患者さまのご希望に添った仕上がりにならないことがあるからです。

アタッチメント

「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」では、マウスピース型矯正装置以外にアタッチメントという器具を使います。
アタッチメントはより効率よく歯を移動させるためにつけるごく小さな器具で、歯と同じ色で目立ちにくい突起のようなものです。
3個目の装置を使うころに、歯の表面に装着します。ワイヤーと同じく歯の歪みを矯正する役割があります。
当医院では、このアタッチメントの形状にもそれぞれ工夫をしています。矯正力を適切に歯に作用させていくにはアタッチメントを手作業で成形していかなければなりません。数十枚に及ぶ装置を取り替えるごとにアタッチメントをつけ直していくのです。成形が整っていなければ治療計画どおり歯列は移動しません。「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」は、デジタル化された矯正法として紹介されることが多いですが、治療の成否を分けるのはアナログな部分、つまり経験に裏打ちされたドクターのスキルにあります。
口腔内3D光学スキャナー

「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」の「3Dシミュレーションシステム」において、歯の3Dモデルをつくる際、患者さまの立体的な歯型のデジタルデータが必要になります。
歯型といえば、従来はドロドロのシリコン素材を患者さまの歯にあてて時間をかけて固まらせて歯型をとっていました。
しかし当医院では、「口腔内3D光学スキャナー」の使用によって、短時間で精密な歯型のデータをとることができるようになりました。
器具の先端をお口の中にあて、わずかな時間ですべての歯のスキャンが完了します。手作業で行なう歯型採取と比べて誤差や歪みがないので、精確性の高いデータを保存することができます。
従来のような嘔吐反射は出にくく、じっとしている必要もなく短時間で撮影できるので、患者さまの負担も軽くなります。スキャニング結果をすぐにその場で確認できるので、再来院や歯型を作り直すという負担もありません。
また、放射線を使用していないので、安心して何度でも受けていただくことができます。
この「口腔内3D光学スキャナー」のスキャニング技術により、さらに精密な装置を作製することができるのです。
また従来の歯型は、アメリカのアラインテクノロジー社に時間をかけて輸送する必要があり、「3Dシミュレーションシステム」の結果を得るのにも時間がかかりましたが、「口腔内3Dスキャナー」でスキャンされたデータは瞬時にアメリカに送信され、3Dシミュレーションが2〜3日で完成します。この早さは「口腔内3D光学スキャナー」でなければ実現できません。
このように「口腔内3D光学スキャナー」は、デジタル機器による矯正である「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置による治療」の精確性を支えるために、重要な役割をもつ口腔内スキャナーなのです。
新素材のマウスピース型矯正装置
2013年に登場した、「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置」の新素材は、従来の素材と比べて、さらに使いやすくなりました。
新素材のマウスピース型矯正装置のメリット
装着感もよく、取り外しがしやすい
日本人に多いひどい乱杭歯などガタガタの歯並びの方は、従来の素材の装置では、取り外しに苦労する場合がありました。
しかし新素材のア装置は柔らかくしなやかに曲がるので取り外しや装着がしやすく、歯にフィットするので着け心地も向上しています。
目立ちにくく審美性にも優れている
従来の装置よりさらに目立ちにくい素材なので、つけていても周りの人にはわかりにくく、審美性にも優れています。
歯をより効果的に移動できる
柔軟な素材なので、歯の形状やアタッチメント、歯の隙間にまでぴったりと密着します。そのため、すべての歯に均一な力がかかって移動効率が向上し、仕上がりがよくなります。
コントロール力が低下しない
新素材のマウスピースは装着期間を通して、効果が持続し歯にかかる力が低下しません。そのため歯牙移動のコントロールが向上します。
「マウスピース型矯正装置による治療」のなかでも多く使用されている「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置」は、新しい技術によって、より使いやすく機能のよいものへと改良され続けているのです。
新素材のマウスピース型矯正装置のデメリット
医療機器法対象外の医療用具であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外である
「スキャナーとロボットによるワイヤー作製システム」を利用した
「マウスピース型矯正装置による治療」
「アラインテクノロジー社開発のマウスピース型矯正装置」同様、最初に専用のスキャナーなどを使い、患者さまの顎骨、歯や歯根、顎関節の動きなど情報を取得します。得られたデータをもとに、システム上で顎や歯並びを再現して、コンピューター上に仮想的に患者さまのお口(仮想モデル)を作り、治療計画をシミュレーションします。
「スキャナーとロボットによるワイヤー作製システム」は「マウスピース型矯正装置による治療」だけでなく、ワイヤー矯正にも対応していますので、併用した治療などもご相談ください。